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エンバーミングで後悔を防ぐための費用相場と必要性の全知識

エンバーミングで後悔した!という検索に至る背景には、必要性や費用、やり方や安全性への不安があるはずです。
本記事では、まずエンバーミングとは何かを明確にし、エンバーミングのやり方の流れを整理します。そのうえで、エンバーミングは永久保存に当たるのか、どの程度の期間を想定すべきかを解説します。
さらに、エンバーミングの事故や失敗として生じやすい誤解や手続き上のトラブルに触れ、そもそもエンバーミングは必要かどうかを判断する視点を示します。合わせて、エンバーミングのメリット・デメリット、エンバーミングの料金の内訳と総額の目安、そしてエンバーミングの有名人の事例まで幅広く取り上げ、後悔しない選択につながる情報を網羅します。
・必要かどうかを見極める実務的な判断軸
・効果と限界、期間のリアルな目安
・費用内訳と総額が膨らむ典型パターン
・説明不足やトラブルを避ける確認手順
エンバーミングで後悔を防ぐための基礎知識
- エンバーミングとはを正しく理解する
- エンバーミング やり方の一般的な流れ
- エンバーミング 顔 変わるの具体的な理由
- エンバーミング 永久保存は可能かを検証
- エンバーミング 事故・失敗の事例と背景
- エンバーミング 匂いへの効果と限界
エンバーミングとはを正しく理解する

エンバーミングは、遺体の腐敗を抑え、衛生的に保管するための専門的な処置です。日本語では「遺体衛生保全」や「防腐処置」とも呼ばれます。処置の目的は大きく三つあり、第一に衛生的な安全確保、第二に遺体の保存期間の延長、第三に外見を整えることです。
遺体は死後すぐに自己消化や細菌繁殖によって腐敗が進行します。通常、気温25度前後であれば死後24時間以内に腐敗臭や皮膚の変化が顕著になります。
これを抑制するために防腐液(主成分はホルマリンを基盤とした化学物質)が血管を通じて全身に注入され、体液や血液と置き換えられます。さらに体腔処置を行うことで、胸腔や腹腔に残存する腐敗しやすい臓器や体液の影響を最小限にとどめます。
日本での普及は1995年の阪神・淡路大震災を契機に注目を浴びました。その後、一般社団法人日本遺体衛生保全協会(IFSA)が設立され、エンバーミングの技術基準や倫理規範が整備されています。
IFSAの報告によれば、1995年に年間8,415件であった処置件数が、2020年には42,760件にまで増加しています。これは社会的にエンバーミングへの理解が広がり、火葬場混雑や長期安置の必要性が増したことを背景としています。
(参考:日本遺体衛生保全協会「処置件数統計」)
エンバーミングのやり方の一般的な流れ

エンバーミングの処置は多段階に分かれており、各工程には専門知識と技術が求められます。一般的な流れを順に整理すると以下のようになります。
- 安置と準備
専用のエンバーミングテーブルに遺体を安置し、衣服や包帯を外します。その後、全身を消毒液で清拭し、皮膚表面の微生物を取り除きます。 - 整顔と前処置
閉眼や閉口の処置を行い、乾燥を防ぐオイルやクリームを塗布します。外見が安らかに見えるように整える作業が重要な工程です。 - 動脈注入と静脈排出
主に頸動脈や大腿動脈を小切開し、専用のカニューレを挿入します。動脈から防腐液を注入し、静脈から血液を排出することで血液と薬液を置き換えます。この工程により、全身の組織が固定され、腐敗が進行しにくくなります。 - 体腔処置
胸腔や腹腔にカニューレを挿入し、残存する体液やガスを吸引します。その後、高濃度の防腐液を注入し、臓器内部の腐敗を抑制します。 - 縫合・整容
切開部を丁寧に縫合し、漏れや破損を防ぎます。遺族が対面する際に違和感がないよう整容処置を施します。 - 着付けと化粧
遺族が用意した衣服や仏衣を着せ、化粧によって自然な血色や穏やかな表情を再現します。 - 納棺・安置
処置を終えた後、遺体は棺に納められ、遺族のもとへ戻されます。ここまでで通常3時間から5時間程度を要します。
この一連の流れによって、遺体は10日から2週間程度、衛生的に安置可能となります。温度や環境条件によっては最大で50日間の保存も可能とされています。
エンバーミング で顔が変わる?の具体的な理由

エンバーミングによって「顔が変わる」という表現が使われることがありますが、実際には大きく作り変えるのではなく、死後に生じた変化を整えて生前に近づけることが目的です。
死後、顔は血液の移動や筋肉の弛緩によって以下のような変化が起こります。
- 血液の重力移動による蒼白化
- 筋肉の弛緩により口や目が開いた状態になる
- 闘病によるむくみややつれが残る
- 事故や病気で外傷がある場合は損傷が目立つ
エンバーミングでは、防腐液に微量の色素を混ぜることで血色を補い、自然な肌色を再現します。閉眼・閉口処置によって穏やかな表情を取り戻すことも可能です。また、むくみを除去したり、頬をふっくらと整えることで、元気だった頃の印象に近づけます。
さらに、外傷や手術痕がある場合には、特殊な修復技術が用いられます。ワックスや専用の補修材を使い、顔の形を補正することも行われます。これにより、遺族が対面した際に違和感を抱きにくくなり、心穏やかにお別れできる環境が整います。
以上のことから、顔が変わるのではなく、自然で安らかな姿に戻すという理解が正確です。遺族にとっては、故人と向き合う大切な時間を落ち着いて過ごせる点が大きな意義を持ちます。
エンバーミングで永久保存は可能かを検証

エンバーミングは、遺体を長期間保存できる技術として注目されますが、永久保存は実現できません。一般的に、日本におけるエンバーミングの有効保存期間は最長で50日程度とされており、それ以上の長期保存は文化的にも制度的にも推奨されていません。
国際的な事例として、旧ソビエト連邦のウラジーミル・レーニンやベトナムのホー・チ・ミンの遺体は数十年以上にわたり保存されていますが、これは定期的な再処置や高度な管理体制を伴う特殊なケースです。一般家庭や通常の葬儀で同様の保存を行うことは現実的ではありません。
日本遺体衛生保全協会の指針によれば、保存期間を過度に延長することは「社会的慣習に適さない」とされています。これは、遺体を長期間にわたり保管することが公序良俗に反する可能性があるためで、文化的背景や法律的観点も考慮されています(参考:厚生労働省「墓地埋葬法」)
したがって、エンバーミングは永久保存のための手段ではなく、葬送までの限られた期間を穏やかに過ごすための技術と位置付けるのが適切です。
エンバーミングによる事故・失敗の事例と背景

エンバーミングに関連する事故や失敗は、技術的な不備よりも情報不足や認識の齟齬に起因することが多いとされています。代表的な事例を整理すると以下のようになります。
- エンゼルケアや湯灌と混同して契約し、想定外の費用が発生した
- 基本料金しか説明されず、搬送費や修復費が加算されて総額が30万円以上になった
- 処置後に面会が制限されることを知らず、最後の対面が叶わなかった
これらのトラブルの背景には、葬儀社側の説明不足や遺族側の知識不足が重なっていることが多いです。特に「エンバーミング」と「ラストメイク」や「湯灌」との違いを正しく理解していないまま契約するケースが後悔につながります。
消費者庁や国民生活センターには、葬儀に関する費用トラブルの相談が毎年寄せられています(出典:国民生活センター「葬儀サービスに関する相談事例」)
したがって、後悔を避けるためには「処置内容の説明を受ける」「追加費用の有無を確認する」「面会の可否を明文化してもらう」といった事前確認が不可欠です。
エンバーミングの匂いへの効果と限界

遺体から発生する匂いは、腐敗によって生じる有機ガスや細菌の活動が原因です。エンバーミングでは、血液を防腐液に置き換え、体腔内部に高濃度の薬液を注入するため、腐敗臭の発生が大幅に抑制されます。
また、防腐液には消臭成分が含まれる場合が多く、体内から匂いを抑え込む効果があります。
一方で、匂いの抑制には限界もあります。保存期間が長期化する場合や、温度・湿度が高い環境では、わずかな腐敗が進行し、匂いが完全に消えることはありません。特に夏季や暖房環境下では管理が重要です。
ドライアイスによる保存と比較すると、ドライアイスは数日程度しか効果が持続せず、顔色や皮膚の変化を防ぎきれない点があります。エンバーミングは最大で50日程度の保存が可能であり、外見や匂いの面でも優れています。
ただし、どちらの手段にも一長一短があるため、葬儀の日程や遺族の希望に応じて選択することが望まれます。(参考:日本遺体衛生保全協会「エンバーミングの効果と期間」)
エンバーミングで後悔を避ける判断材料
- エンバーミング 必要 かを見極める視点
- エンバーミング メリット・デメリットの整理
- エンバーミング 料金の相場と注意点
- エンバーミング 有名人の事例紹介
- エンバーミング 後悔を減らすためのまとめ
エンバーミングが本当に必要かを見極める視点

エンバーミングを行うべきかどうかは、遺族の希望や葬儀の状況によって異なります。判断材料となる主な視点を整理すると以下の通りです。
第一に、火葬までの日数です。都市部の火葬場は予約が混雑し、1週間以上待たされることもあります。この場合、遺体を清潔に保つためにエンバーミングが有効となります。逆に、数日以内に火葬できるのであればドライアイスで十分とされるケースも多いです。
第二に、遺族が望むお別れの形です。闘病や事故によって顔がやつれたり損傷がある場合、生前に近い姿を取り戻すために処置を選ぶことがあります。外見を整えることが、遺族にとって心理的な安らぎにつながる点は大きな要素です。
第三に、感染症の有無です。感染症を原因として亡くなった場合、衛生上の観点からエンバーミングを行うことで安全な対面が可能になります。これは特に高齢者や子どもなど、免疫が弱い人にとって重要な要素となります。
以上を踏まえると、必要性は一律ではなく、期間・衛生・外観・心情といった要素を総合的に考慮して判断することが求められます。
エンバーミングのメリット・デメリットの整理

エンバーミングは、近年日本でも注目が高まっている遺体保全技術ですが、その導入を検討する際にはメリットとデメリットを多角的に理解することが不可欠です。
単に「長期間保存できるから便利」といった単純な理由だけではなく、費用や文化的背景、心理的な要素まで含めて総合的に判断する必要があります。
エンバーミングのメリット
まず、エンバーミングが選ばれる大きな理由は保存期間の延長です。従来のドライアイス処置では数日から1週間程度が限界ですが、エンバーミングを行うことで気温や環境にもよりますが最大で50日間程度、遺体を衛生的に保つことが可能になります。
これにより、都市部で火葬場の予約が混み合う場合や、海外に住む親族が帰国するまで時間を要する場合でも、落ち着いて葬儀の準備を進めることができます。
また、見た目の改善も重要な利点です。防腐液に色素を含めて注入することで顔色が自然に整い、むくみややつれを緩和し、生前の穏やかな表情に近づけることができます。
事故や闘病によって損傷や変化がある場合でも、修復処置によって違和感を軽減できる点は、遺族が後悔なく最後のお別れをするために大きな意味を持ちます。
衛生面の効果も見逃せません。日本遺体衛生保全協会の調査によれば、処置を施すことで遺体から検出される病原菌が大幅に減少することが確認されています。感染症を原因として亡くなった場合でも、遺族や参列者が安全に対面できる環境が整えられる点は、公衆衛生的にも大きなメリットです。
さらに、ドライアイスの使用量が不要となるため、霜や凍結によって顔や体に変色が生じるリスクが軽減されます。棺の中で自然な状態を維持できることは、遺族にとって精神的な安心感を高める要因となります。
エンバーミングのデメリット
一方で、エンバーミングには費用や運用面での課題があります。基本的な処置費用だけでも15万〜25万円程度かかり、搬送費や追加修復費を含めると総額が20万〜35万円に達するケースが多いです。葬儀費用全体に対して大きな割合を占めるため、家計に与える負担は無視できません。
また、処置は専門のエンバーミングセンターで行われるため、病院や自宅から施設まで遺体を搬送する必要があります。この過程で「すぐに自宅に連れて帰りたい」という遺族の希望と齟齬が生じる場合もあります。
さらに、処置の過程で頸部や大腿部に小切開を加えて血液を排出・薬液を注入するため、故人の身体に手を加えることへの心理的抵抗を持つ遺族も少なくありません。宗教的・文化的な観点から反対されることもあるため、家族間で十分な話し合いが必要です。
加えて、処置自体に3〜5時間ほどかかるため、その間は遺族が立ち会えず、故人と離れて過ごさなければならない点も考慮すべき要素です。
判断に必要な視点
エンバーミングは、衛生面・保存期間・見た目の改善といった点で大きな利点がある一方、費用や心理的負担、手続き上の制約といったデメリットも抱えています。遺族が後悔しないためには、事前に処置の内容や総額を明確に把握し、文化的背景や家族の意向も含めて総合的に判断することが欠かせません。
このように、メリットとデメリットを冷静に整理して検討することが、エンバーミングを選択する際の最も大切なプロセスといえます。
エンバーミングの料金の相場と注意点

エンバーミングの料金は、葬儀社や地域によって差がありますが、全国的な相場は以下の通りです。
項目 | 費用目安 |
---|---|
基本処置(防腐・洗浄・整容・着付け・化粧) | 15万〜25万円 |
遺体搬送(病院〜施設) | 2万〜4万円 |
状態による追加修復費 | 1万〜5万円 |
合計の目安 | 20万〜35万円 |
ただし、実際の総額はさらに膨らむ場合があります。葬儀社によっては「基本料金は安いが追加費用が多い」というケースもあり、最終的に30万円以上になることも珍しくありません。
注意すべき点は以下の通りです。
- 基本料金に何が含まれているかを必ず確認する
- 搬送費用や安置費用が別途請求されるかどうかをチェックする
- 修復作業や時間外対応の追加料金が発生する条件を事前に確認する
国民生活センターへの相談事例でも、料金トラブルは葬儀関連の典型的な問題として報告されています
エンバーミングをした有名人の事例紹介

エンバーミングは歴史的に数多くの著名人にも施されています。特に、社会的影響力の大きな人物や長期間にわたり公開が予定されるケースで利用されてきました。
代表例としては、ソビエト連邦の初代指導者ウラジーミル・レーニンが挙げられます。1924年の死後、モスクワのレーニン廟で遺体が一般公開され続けており、現在に至るまで定期的な再処置が施されています。ベトナムのホー・チ・ミン、中国の毛沢東も同様に遺体が公開され、国の象徴として保存され続けています。
アメリカでは、エイブラハム・リンカーン大統領が暗殺後にエンバーミングされ、約2700kmを列車で移送されながら各地で市民が最後の別れを告げる機会を持ちました。また、ジョン・F・ケネディやマリリン・モンロー、マイケル・ジャクソンもエンバーミングを受けたと報じられています。
一方、日本では火葬文化が主流であるため、公表されている有名人の例は多くありません。しかし、国内でも需要は確実に高まりつつあり、タレントの壇蜜氏がエンバーマーの資格を取得していることも話題となりました。これにより、専門技術や資格への関心が一般にも広がりつつあります。
国ごとの文化差はあるものの、有名人への適用例は、エンバーミングが社会的にどのような意味を持つのかを理解する上で参考になります。
エンバーミングで後悔を減らすためのまとめ
エンバーミングは後悔しないための知識と判断が重要です。ここまで解説してきた内容を整理すると、次のようなポイントが挙げられます。
- 火葬までの日程が延びる場合に有効な手段となる
- 外観を整えることで心理的に安らぎを得やすい
- 感染症対策の効果があり安心して対面できる
- 保存期間は最大50日程度で永久保存はできない
- 処置は専門施設で行い搬送が必要となる
- 小切開に抵抗を持つ遺族もいるため話し合いが大切
- 基本料金は15万〜25万円で総額は30万円超になる場合もある
- 契約時に明細や追加費用の条件を必ず確認する
- ドライアイスや保冷庫と比較して長期間の保存が可能
- 匂いの抑制は体内処置で効果が高いが限界もある
- 海外では国家指導者などの公開保存に使われる
- 日本でも徐々に認知度が高まり資格制度が整備されている
- 不要なケースでは葬儀社の営業に流されないことが重要
- 目的と期間を先に決めてから手段を検討する姿勢が必要
- エンバーミング 後悔を避けるには情報収集と事前確認が鍵
以上の点を踏まえ、エンバーミングは必ずしも全員に必要な処置ではなく、状況と希望に応じた選択肢の一つとして位置づけることが望ましいといえます。

