24時間365日 無料で相談する
お通夜で御霊前と御香典はどっちが正しい?完全ガイド

お通夜で渡す香典の表書きを御霊前と書くべきか御香典と書くべきか、どっちが正しいのか迷って検索されたのではないでしょうか。「とりあえず御霊前って書いておけばいいのかな?」と思いつつも、あとから「本当は御香典が正しかった」と知って後悔したくないですよね。しかも、御霊前と御仏前の違いや使い分け、宗派別の香典表書き、香典袋の選び方や書き方まで、一度に色々と調べなければならず、不安になりがちだと思います。
西宮市で家族葬や火葬式をお手伝いしているセレモニーツナグとして、お通夜香典御霊前御仏前どっちが正しいのか、宗派がわからない時の香典表書き、浄土真宗の香典は御仏前と書くべきなのか、神式での御玉串料やキリスト教での御花料など、現場でよく相談されるポイントを日々見てきました。葬儀の受付で「これ、御霊前で大丈夫でしょうか…」と袋をそっと見せられることも少なくありません。
あわせて、香典袋の選び方や水引のマナー、香典の金額相場の考え方、中袋や名前の書き方、受付での渡し方マナーまで、初めての方でも一通りの流れが分かるように整理しました。この記事を読み終えるころには、「お通夜では御霊前と御香典どっちを書けばよいか」「宗派別にどんな香典表書きがふさわしいか」「最低限ここだけ押さえておけばOK」というラインが、かなりクリアになっているはずです。
地域の慣習やご家庭の考え方もありますから、絶対の正解は一つではありません。それでも、基本のマナーを知っておけば、いざというときに落ち着いて行動できます。大切な方を思いながら、失礼のない形でお気持ちを届けられるよう、一緒に整理していきましょう。なお、年間の死亡数はおよそ160万件規模とされていて、日本社会全体で見ると誰にとっても葬儀は決して特別な出来事ではなく、いつか必ず向き合う日常の一部になっています。だからこそ、今のうちに基本を押さえておく価値は大きいかなと思います。
- お通夜の御霊前と御香典どっちを選ぶかの基本が分かる
- 御霊前と御仏前の違いと宗派別の香典表書きが理解できる
- 香典袋の選び方や金額相場、中袋と名前の書き方が分かる
- 受付での香典の渡し方と挨拶のマナーを具体例でイメージできる
お通夜で御霊前と御香典どっちを選ぶ?その基準
ここでは、お通夜で香典を出すときに御霊前と御香典どっちを書けばよいのか、まずは全体の考え方と宗教・宗派ごとの基本ルールを整理します。「とりあえず御霊前」と書いてしまう前に、ざっくりとした全体像を掴んでおくイメージですね。細かな例外はありますが、大枠の基準を知っておくだけでも、迷いがぐっと減りますし、慌ててネット検索する時間も短くできるかなと思います。
御霊前と御仏前の違いと使い分け

仏式のお通夜や葬儀でよく見かけるのが御霊前と御仏前という二つの表書きです。どちらも香典の名目ですが、実は「誰に対して」「いつ」お供えするのかという意味合いが少し違います。
御霊前は、その字の通り亡くなった方の御霊にお供えするという考え方で、亡くなってから四十九日までの期間に使うのが一般的なマナーです。一方、御仏前は四十九日の忌明けを過ぎて、故人が仏さまになったあとに使う表書きとして定着しています。
仏教の世界観では、亡くなってすぐに仏さまになるのではなく、「中陰(ちゅういん)」と呼ばれる四十九日間の期間を経て成仏すると考える宗派が多いです。この間はあくまで御霊として扱い、遺族も毎日お線香をあげたり、お経を唱えたりしながら故人の冥福を祈ります。この期間中に行われるお通夜や葬儀、初七日などでは、御霊前の表書きがしっくりくるわけですね。
一方で、四十九日の法要以降は、故人は仏さまになったとみなされます。ここから先の一周忌や三回忌などの法要では、仏さまへのお供えという意味合いで御仏前を使うのが基本です。ここを間違えてしまっても大きな失礼になるわけではありませんが、「仏教の流れに沿って丁寧に対応したい」というときには、御霊前と御仏前の切り替えタイミングを意識しておくと安心ですよ。
御霊前・御仏前・御香典のざっくり比較
| 表書き | 意味 | 使うタイミング |
|---|---|---|
| 御霊前 | 故人の御霊へのお供え | 通夜・葬儀〜四十九日まで |
| 御仏前 | 仏さまとなった故人へのお供え | 四十九日以降の法要全般 |
| 御香典 | 宗派を問わない香典全般 | 通夜・葬儀・法要を通して幅広く |
実務としては、お通夜や告別式、四十九日より前の法要には御霊前を、四十九日以降の一周忌・三回忌などの法要には御仏前を使うと覚えておくと分かりやすいでしょう。
ただし後述する浄土真宗のように、亡くなった直後から仏とみなす宗派もあり、その場合は通夜から御仏前を用います。この違いを知っているだけでも、「あ、今回は浄土真宗だから御仏前にしよう」と判断しやすくなりますよ。
御香典という表書きは、本来は香をお供えする気持ちを金銭に代えて表した言葉で、通夜・葬儀・法要を通じて宗派を問わず使える汎用的な名目です。宗派がはっきりしないときや、御霊前と御仏前どっちにするか判断できないときには、御香典と書いておけば大きくマナーを外すことはほとんどありません。
「とにかく失礼にならないことを優先したい」というときの、心強い選択肢だと思ってもらえればOKです。
お通夜の香典表書きの基本マナー

お通夜の香典表書きは、まず大前提として「故人の宗教と宗派を意識する」ことが大切です。ここを押さえておくと、御霊前と御香典どっちを選ぶかだけでなく、そもそも御霊前という言葉を使っていい場面なのかどうかも見えてきます。まずは仏式なのか、神式なのか、キリスト教式なのか、あるいは無宗教なのか。この線引きだけでもかなり判断しやすくなりますよ。
仏式のお通夜であれば、一般的には御霊前または御香典が選ばれます。四十九日以降なら御仏前ですし、浄土真宗なら最初から御仏前がふさわしい、という違いがあります。案内状やお寺の看板を見ると「◯◯宗△△派」と書かれていることも多いので、時間に余裕があれば当日会場で確認するのも一つの方法です。
宗教ごとの代表的な表書き
| 宗教・宗派 | 通夜・葬儀の表書き |
|---|---|
| 仏式(一般) | 御霊前・御香典 |
| 仏式(浄土真宗) | 御仏前・御供 |
| 神式 | 御玉串料・御霊前 など |
| キリスト教(カトリック) | 御花料・御ミサ料 |
| キリスト教(プロテスタント) | 御花料・献花料 |
| 無宗教 | 御香典・御花料 など |
神式のお通夜では、香典という言葉はあまり使わず、御霊前や御玉串料、御榊料などが用いられます。キリスト教式では、カトリックなら御花料や御ミサ料、プロテスタントなら御花料や献花料といった表書きが中心で、御霊前はプロテスタントでは避けた方が無難です。無宗教と案内されている場合は、御香典や御花料を選ぶケースがよく見られます。
表書きは香典袋の中央上部に書き、その下に差出人の名前を記入します。文字は毛筆や筆ペンが望ましいですが、急な訃報で用意が難しいときは、落ち着いた色のサインペンでも大きな失礼にはあたりません。大事なのは、乱雑な字にならないよう、できる範囲で丁寧に書くことかなと思います。
「宗教(仏式・神式・キリスト教・無宗教)」→「その中の宗派」→「それに合った表書き」という順番で絞り込むと、お通夜の香典表書きはぐっと決めやすくなります。全部を完璧に覚えようとしなくても、この流れだけ知っておけば、現場で判断するときの軸になりますよ。
宗派別の香典は御霊前・御仏前どっち?

仏式のお通夜で御霊前と御仏前どっちを書くかは、宗派によって変わります。ここをふんわりした理解のままにしておくと、「同じ仏教だから全部御霊前でいいよね?」となりがちですが、実はそうでもありません。浄土宗・真言宗・曹洞宗・日蓮宗など、多くの宗派では「人は亡くなってから四十九日かけて仏になる」と考えるため、御霊前と御仏前を時期でしっかり使い分けるのが基本なんです。
この考え方では、通夜や葬儀、初七日、四十九日前の法要は「まだ御霊の段階」とされるため御霊前、一方で四十九日法要や一周忌以降の法要では「仏さまへのお供え」として御仏前を使います。なので、例えば一周忌に「御霊前」と書いてしまうと、厳密には教義とズレてしまうというイメージですね。
代表的な仏教宗派と表書きの目安
| 宗派 | 通夜・葬儀 | 四十九日以降 |
|---|---|---|
| 浄土宗・臨済宗など | 御霊前 | 御仏前 |
| 曹洞宗・日蓮宗など | 御霊前 | 御仏前 |
| 浄土真宗 | 御仏前・御供 | 御仏前 |
一方、浄土真宗は「即身成仏」という考え方をとり、亡くなった瞬間から仏になると捉えます。このため、通夜や葬儀の香典表書きも御仏前とするのが正式なマナーで、御霊前は用いません。現場では御霊前のままでも大きなトラブルになることは少ないものの、宗派を知っている立場であれば、できるだけ教義に沿った表書きを選ぶのが丁寧な配慮だと感じています。
同じ仏式でも、宗派によって御霊前と御仏前どっちを使うかが変わる点は、香典マナーの中でも特に間違えやすいポイントです。「お寺の宗派まで気にするのは大変だな…」と感じるかもしれませんが、案内状に宗派名が書かれていたり、会場のお位牌や装飾から分かることもあります。気づいた範囲で対応できれば十分だと私は思っています。
宗派がわからない時の香典の表書き

お通夜の知らせを受けたけれど、故人の宗派が分からないというご相談も本当によくあります。親族や職場の同僚であれば宗派を確認しやすいのですが、ご近所付き合いや取引先の方など距離感のある関係だと、そこまで踏み込んで聞きづらいことも多いですよね。「今さら宗派を聞くのも失礼かな…」と感じてしまう気持ち、よく分かります。
そのようなときは、無理に御霊前か御仏前どっちかを言い当てようとせず、御香典という汎用的な表書きを選ぶのがおすすめです。御香典は、通夜や告別式、四十九日法要など幅広い場面で使えるうえ、宗派が分からない場合にも失礼になりにくい表現です。「御霊前と御仏前どっちが正解か分からないから、とりあえず御香典にしておこう」が、現場でもかなり多いパターンですね。
確認できるなら聞いてみてもOK
もし聞ける相手がいれば、「仏式でしょうか?」「宗派は分かりますか?」とさらっと確認してみるのも一つです。喪主や近しいご家族に直接聞くのは避けた方がいい場面もありますが、案内をくださった方や会社の総務担当者など、少し距離のある方に確認するのはそこまで失礼にはあたりません。それでも分からない、もしくは聞く時間がない場合は、御香典を選べば十分だと考えて大丈夫です。
宗派が分からない時は御香典、仏式と分かっている時は御霊前か御仏前を宗派に合わせて選ぶというシンプルな基準を覚えておくと、迷ったときにも判断しやすくなります。「完璧な正解」よりも、「大きく失礼のない無難な選択」を優先するイメージでOKですよ。
なお、案内状に「香典は辞退いたします」と書かれている場合は、表書き以前に香典を持参しないことがマナーです。どうしてもお気持ちを伝えたいときは、後日お花やお手紙に形を変えてお送りするなど、相手に負担をかけない方法も検討してみてください。
お通夜では浄土真宗の香典は御仏前
浄土真宗のお通夜では、香典の表書きは御仏前か、もしくは御供とするのが正式なマナーです。これは、浄土真宗では亡くなった瞬間から阿弥陀如来によって救われ、すでに仏の世界に生まれたと考えるためです。御霊という考え方を用いないので、お通夜でも御霊前とは書かず、御仏前とします。ここは他宗派との大きな違いなので、一度知っておくと忘れにくいポイントだと思います。
実際の現場では、参列者の多くが宗派の違いを深く意識しているわけではないため、御霊前と書かれた香典が混じっていても、喪家が強く気にされることはあまりありません。「間違えたから受け取れません」といったことは、ほぼないと言っていいでしょう。それでも、浄土真宗のお寺やご家庭とご縁が深い方は、御仏前か御供を選んでおくと、教義への理解と敬意が伝わりやすいと感じます。
浄土真宗かどうかを見分けるヒント
「そもそも浄土真宗かどうか分からない…」というケースも多いので、簡単な見分け方もお伝えしておきます。案内状や会葬礼状に「真宗大谷派」「本願寺派」といった文言があれば浄土真宗ですし、お寺の山門や看板にも宗派名が書かれていることがあります。また、ご本尊が阿弥陀如来で、お経に「南無阿弥陀仏」という文言が繰り返し出てくるのも浄土真宗の特徴です。
なお、浄土真宗のお通夜でも香典袋自体は一般的な仏式と同じく、白無地や蓮の絵柄に黒白または双銀の水引がかかった不祝儀袋を使うのが基本です。表書きだけ御仏前にしておけば、袋の選び方で困ることはほとんどありません。どうしても不安な場合は、御香典と書いても大きな失礼にはなりませんので、無理に難しく考えすぎなくて大丈夫ですよ。
お通夜で御霊前か御香典どっちを使うのが適切か?実践版
ここからは、実際に香典を準備するときの具体的な手順を追いながら、御霊前と御香典どっちがふさわしいかを判断しつつ、香典袋の選び方や金額相場、中袋や名前の書き方、受付での渡し方までを整理していきます。「頭では分かったけれど、実際には何から手をつければいいの?」という状態を、一つひとつ解きほぐしていくイメージです。実務の流れに沿って確認することで、慌ただしいお通夜当日でも落ち着いて準備が進められるはずです。
香典袋の選び方と水引のマナー

香典袋を選ぶときは、まず宗教にあったデザインかどうかを確認します。仏式のお通夜であれば、白無地の封筒に黒白または双銀の水引がかかった不祝儀袋が中心です。蓮の花の絵が入ったものは仏式専用なので、神式やキリスト教には使いません。神式なら白無地に双銀の水引、キリスト教なら水引なしで百合や十字架の絵柄が入った封筒がよく使われます。
宗教別・香典袋デザインの選び方
| 宗教 | おすすめの香典袋 | 避けたいデザイン |
|---|---|---|
| 仏式 | 白無地+黒白・双銀水引、蓮の絵柄 | 十字架、派手なカラー水引 |
| 神式 | 白無地+双銀水引 | 蓮の絵柄、十字架 |
| キリスト教 | 白地に百合や十字架、水引なし | 蓮の絵柄、黒白水引 |
| 無宗教 | 白無地+シンプルな水引、または水引なし | 宗教色の強い絵柄全般 |
水引の本数は、結婚祝いなどと違って細かく気にされないことも多いですが、一般的には黒白または双銀の「結び切り」が弔事用とされています。結び切りには「二度と繰り返さない」という意味が込められており、繰り返しを願うお祝い事に使う蝶結びとは役割が異なります。お通夜の香典袋には、必ず結び切りの水引がついたものを選びましょう。
コンビニや100円ショップでも香典袋は販売されていますが、宗教や水引の種類まで細かくは分かりにくいことがあります。不安な方は、葬儀社や仏壇店など専門店で購入するか、事前にパッケージの説明をよく確認してください。「弔事用」「仏式用」などの表示があれば、それを目安にしていただいて大丈夫です。
また、包む金額によって香典袋のグレードを変えるのも大切なポイントです。数千円程度であればシンプルな印刷タイプ、一万円以上であれば少し厚手で水引が立体的になっているもの、というように、金額と見た目のバランスをとっておくと、受付で見たときの印象も整いやすくなりますよ。
香典の金額相場と中袋の書き方

香典の金額相場は、故人との関係性や地域の慣習、年代によって大きく変わります。「いくら包むのが正解ですか?」と聞かれることも多いのですが、正直に言うと絶対の正解はなく、あくまで一般的な目安の範囲で考えるものだと思ってください。そのうえで、親や兄弟姉妹などごく近い親族であれば一万円以上になることも多く、友人や職場関係であれば三千円から一万円程度を包まれる方が多い印象です。
関係別・香典の目安
| 故人との関係 | 一般的な目安 |
|---|---|
| 両親 | 1万〜10万円程度 |
| 兄弟姉妹 | 1万〜5万円程度 |
| 祖父母 | 1万〜3万円程度 |
| 親戚(叔父・叔母・いとこなど) | 5千〜2万円程度 |
| 友人・知人 | 3千〜1万円程度 |
| 職場関係(上司・同僚など) | 3千〜1万円程度 |
※あくまで一般的な目安であり、地域性やご家庭の考え方によって変わります。
金額を決めたら、中袋(内袋)の表側に金額を記入します。縦書きの場合は「金五千円」や「金壱萬圓也」のように、漢数字や大字を用いるのが正式です。横書きの場合は「¥5,000」と記入しても最近は受け入れられるようになってきましたが、弔事らしい落ち着いた印象を重視するなら、縦書き+漢数字の組み合わせがおすすめかなと思います。
裏側には住所と氏名を書きます。中袋のないタイプの香典袋であれば、外袋の裏面右下に金額、左下に住所と氏名を書くことが多いです。香典返しを準備されるご遺族にとって、住所と氏名がきちんと読めることはとても大切なので、ここは少しだけ時間をかけて丁寧に書いてあげてください。
金額は偶数よりも三千円・五千円などの奇数にする方が無難とされていますが、最近では一万円のように偶数でも広く受け入れられているのが実情です。無理のない範囲で、故人との関係に見合う額を選ぶことが何より大切だと感じています。「相場通りに出さなきゃ」と自分を追い詰めすぎなくて大丈夫ですよ。
四十九日や一周忌の香典相場や、法要ごとの考え方をさらに詳しく知りたい方は、当サイトの四十九日と一周忌の香典マナー解説も参考になると思います。法要ごとに少しずつ考え方が変わるので、一度目を通しておくと安心感が違ってきます。
香典の名前と連名の書き方

香典袋の表書きの下には、差出人の名前をフルネームで記入します。一人で出す場合は、自分の姓と名を中央に書きます。ここは意外と見られている部分で、「誰からいただいた香典なのか」を後から整理するときの重要な手がかりになります。読みやすく、苗字と名前の間を少し空けて書いておくと、見た目もすっきりしますよ。
個人・夫婦・グループでの書き方
夫婦で出す場合は、夫のフルネームを中央に記入し、その左にやや小さく妻の名前だけを書くか、連名で二人のフルネームを並べるパターンがよく使われます。例えば「山田太郎」の左に少し小さい字で「花子」と書くイメージです。子どもも含めて家族全員名義にしたいときは、「山田太郎・花子・一郎」のように並べても構いません。
友人同士や職場の有志など、三人以上で香典をまとめる場合は、代表者一人の氏名を書き、その左横に「外一同」や「有志一同」と添える方法が実務的です。より詳細に誰がいくら負担したのかを伝える必要がある場合は、中袋の裏側に連名とそれぞれの金額をメモしておくと、喪家が香典返しを準備するときの参考になります。
会社名で香典を出すときは、表面に会社名を大きく書き、その下に部署名や代表者名を添える形が一般的です。たとえば「株式会社〇〇」「営業部一同」のような書き方ですね。どの書き方がふさわしいか迷ったときは、同じ立場の人同士で事前に相談して揃えておくと、受付での混乱を防げます。
いずれの場合も、敬称の「様」や「殿」は付けません。香典袋の名義はあくまで差出人の名前そのものであり、「〜様からの香典です」と読む側の立場で扱われるイメージです。ここを「山田太郎様」と書いてしまうと、少し違和感のある表記になってしまうので注意しましょう。
香典の渡し方マナーと挨拶例

お通夜の会場に着いたら、まず受付で記帳を済ませ、香典をお渡しします。このとき、香典袋は袱紗に包んで持参し、受付で袱紗を静かに開いて香典袋を取り出し、表書きが相手に読める向きに整えてから両手で差し出すのが基本です。袱紗は紫や紺など落ち着いた色合いを選び、派手な柄物は避けましょう。ここは見た目の印象がぐっと変わる部分なので、可能なら一枚用意しておくのがおすすめです。
受付での一連の流れ
受付での動きは、ざっくりと次のような流れになります。
- 会場に到着したら、まず受付の場所を確認する
- 袱紗に包んだ香典を持ち、受付の前で軽く一礼する
- 記帳を促されたら、芳名帳に住所と氏名を丁寧に書く
- 袱紗を開き、香典袋を取り出して表書きを相手側に向ける
- 「このたびはご愁傷様でございます。心ばかりですがお納めください。」などと挨拶しながら両手で差し出す
香典を渡す際の挨拶は、長々と話す必要はなく、短く気持ちを伝える程度で十分です。例えば「このたびはご愁傷様でございます。心ばかりですがお納めください。」「突然のことで驚きました。お悔やみ申し上げます。」といった言葉がよく使われます。相手が目上の方であっても、過度に崩した言い回しや冗談交じりの言葉は避け、落ち着いた声で伝えてあげてください。
焼香や席での振る舞いも含めたお通夜のマナー全般は、同じツナグブログ内のお通夜とお葬式のどっちが大事か知るためのマナーと注意点も参考になると思います。全体の流れが分かっていると、香典を渡すタイミングや動き方もイメージしやすくなりますよ。
最近は香典辞退と案内されるケースも増えています。案内状や訃報に「香典の儀は固くご辞退申し上げます」といった一文があれば、その意向を尊重することが何より大切です。香典辞退と書かれているにもかかわらず無理に香典を渡すと、ご遺族に余計な負担をかけてしまうこともありますので注意しましょう。迷うときは、当サイトの四十九日で香典はいらないと言われたときの判断とマナーもあわせてご覧ください。
まとめ:お通夜で御霊前か御香典どっちを選ぶか
お通夜で御霊前と御香典どっちを書けばよいかは、故人の宗教や宗派、時期によって変わります。多くの仏式では、通夜や葬儀は御霊前、四十九日以降の法要は御仏前という使い分けが基本で、浄土真宗では通夜から御仏前を用いるのが正式です。宗派が分からないときは、御香典という表書きを選べば、大きくマナーを外すことはまずありません。
あわせて、香典袋の選び方や水引のマナー、香典の金額相場の考え方、中袋や名前の書き方、受付での渡し方まで一通り押さえておけば、お通夜の場で戸惑う場面はぐっと減ります。香典返しについて詳しく知りたい方は、ツナグブログの香典返しの金額目安と品物選びのガイドも参考になるでしょう。
この記事でお伝えした金額やマナーは、あくまで一般的な目安であり、地域やお寺・教会ごとの考え方によって変わることも少なくありません。正確な情報は自治体や寺院・教会などの公式な案内も確認し、最終的な判断は葬儀社や宗教者など信頼できる専門家にご相談ください。お通夜御霊前か御香典どっちを選ぶ場面でも、故人とご遺族を思う気持ちを大切にしながら、あなた自身が無理のない形でお気持ちを届けていただければと思います。








