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四十九日と一周忌は一緒にできる?初めての人向け完全マニュアル

四十九日と一周忌を一緒に行うべきか、同時に行うか別々にするか、日程をずらすことはできるのか、どっちを優先したらよいのか、トラブルにならないか不安に感じている方はとても多いです。
セレモニーツナグとして日々ご相談を受けていると、「四十九日と一周忌を同時に行うのは失礼にならないか」「仕事や距離の都合で日程をずらしたいが、どこまでなら問題ないのか」「四十九日と一周忌どっちを優先したらよいのか」「親族間でトラブルにならない段取りを知りたい」といったお声をよく耳にします。
この記事では、四十九日と一周忌を一緒に行うケースを中心に、法要の意味や日数の数え方、同時に行うメリット・デメリット、日程をずらす際の考え方、優先順位の付け方、トラブルを避けるためのポイントまで、やさしく整理してお伝えします。
大切な家族を見送ったあとの一年間は、気持ちも生活も大きく揺れ動く時期ですよね。その中で法要の準備や調整を一手に担うのは、本当に大変だと思います。このページでは、専門用語をできるだけかみ砕きながら、「結局どうしたらいいのか」が分かるようにまとめていますので、気になるところから読み進めてもらえれば大丈夫です。
ご家族ごとに事情も優先したいことも違いますので、「これが正解です」と一つの形を押しつけるつもりはありません。いくつかの選択肢と、そのメリット・注意点を知ったうえで、あなたのご家庭にとって一番しっくり来る形を一緒に探していけたらいいなと思っています。
- 四十九日法要と一周忌法要の意味と違いが分かる
- 四十九日と一周忌を同日に行う際の注意点と流れが分かる
- 日程をずらす場合や優先順位を決める際の考え方が分かる
- トラブルを避けながら親族と相談を進めるコツが分かる
四十九日や一周忌を一緒に行う際の基本知識
まずは、四十九日と一周忌それぞれの意味やタイミングの違いを整理したうえで、「そもそも同じ日に一緒に行うことは可能なのか」という大枠を確認していきます。ここで基本を押さえておくと、あとで日程調整や親族への説明をするときにもブレずに考えやすくなります。
特に、ご年配の親族と若い世代とでは、法要に対する感覚や「どこまで厳密にやるべきか」の受け止め方が違うことも多いです。そういうときに、感情論だけで話してしまうとぶつかりやすいので、「仏教ではこういう考え方がベースになっている」「昔からこういう区切りが大事にされてきた」という共通の土台を持っておくと、話し合いもずっとスムーズになりますよ。
四十九日と一周忌の違いと意味

四十九日法要は、故人が亡くなってから数えて四十九日目に営む、いわば「忌明けの節目」となる法要です。亡くなった日を一日目として七日ごとに供養を重ね、その最後の七七日目にあたるのが四十九日になります。
この日をもって忌中が明け、喪服や日常生活の過ごし方も少しずつ平常に戻していく目安になります。そのため、四十九日は故人にとっても、ご家族にとっても、心の区切りとなる大切な日です。「ここまで頑張って見送ってきた」というご家族の気持ちが落ち着いてくるタイミングでもあり、納骨をこの日に合わせることも多いですね。
一方、一周忌法要は「亡くなって満一年」の命日に営む年忌法要で、喪中が明ける大きな節目とされています。親族だけでなく、ご縁のあったご友人や仕事関係の方をお招きすることも多く、葬儀の次に大きな規模になることも珍しくありません。一周忌の席では、少し気持ちに余裕が出てきて、皆さんで故人の思い出話をゆっくりされる方が多い印象です。
イメージしやすいように、二つの法要の役割をざっくり並べてみますね。
| 法要の種類 | 行う時期 | 主な意味・役割 |
|---|---|---|
| 四十九日法要 | 亡くなってから49日目 | 忌明けの区切り、納骨を行うことが多い |
| 一周忌法要 | 亡くなってから満一年 | 喪中が明ける節目、親族や友人と故人を偲ぶ |
四十九日が「旅立ちを見送る区切り」だとすると、一周忌は「故人を偲びながら、残された家族が前を向いて歩み始める区切り」とイメージしていただくと分かりやすいと思います。実際、一周忌が終わったころから、年賀状やお祝いごとへの参加も少しずつ再開していくご家庭が多いですね。
また、仏教的な考え方では、四十九日までは故人の魂が次の世界へ向かう準備期間とされることが多く、一周忌以降は先祖と同じようにお祀りしていく段階に入る、というイメージを持っておくと理解しやすいかなと思います。
「四十九日までは特に大切な期間、一周忌までは喪に服す期間」という大まかなイメージを持っておくと、法要の優先順位を考えるときの軸になりますよ。
法要の日数の数え方と注意点

法要の日程を決めるうえで欠かせないのが日数の数え方です。ここを誤解してしまうと、本来の四十九日や一周忌から大きくずれてしまうことがあります。「カレンダーをめくっていたら、あれ?どこが四十九日だっけ?」となりやすいポイントなので、少し丁寧に整理しておきますね。
四十九日までの日数の数え方
四十九日までは、亡くなった日を一日目として数える「仏式の数え方」を用いるのが一般的です。亡くなった日を含めて七日ごとに初七日、二七日、三七日…と続き、七七日、つまり四十九日目が満中陰(まんちゅういん)にあたります。
たとえば、4月1日に亡くなられた場合、四十九日は5月19日です。「1日を1日目として、7日目が初七日…」と順に数えていくと、七七日がちょうど5月19日になる、という考え方ですね。実務上は、平日を避けて土日や祝日に前倒しすることも多く、「命日から数えて四十九日に一番近い手前の休日」を候補にするご家庭が多い印象です。
ちなみに、「七日ごとに裁きを受ける」「十王の前で生前の行いを振り返る」といった考え方は、仏教と中国の民間信仰が混ざり合って形になったものだと言われています。たとえば京都国立博物館は、地蔵と十王に関する解説の中で、インド仏教では臨終から七日ごと七週にわたって法要が行われ、それが現在の四十九日の習慣につながっていると説明しています(出典:京都国立博物館「地蔵と十王」)。
一周忌以降の数え方
一周忌以降の年忌法要は、満年数で考えるのが基本です。亡くなった日からちょうど一年後が一周忌、二年後が三回忌という具合に、回忌の「数え」と実際の年数がずれる点には注意が必要です。
たとえば、2024年4月1日に亡くなられた方の一周忌は、2025年4月1日ごろ、三回忌は2026年4月1日ごろというイメージです。「三回忌=3年目ではなく2年後」というところが、はじめての方には少し混乱しやすいところかなと思います。
| 回忌 | 亡くなってからの年数 | おおよその時期 |
|---|---|---|
| 一周忌 | 1年後 | 命日と同じ月日 |
| 三回忌 | 2年後 | 命日と同じ月日ごろ |
| 七回忌 | 6年後 | 命日と同じ月日ごろ |
| 十三回忌 | 12年後 | 命日と同じ月日ごろ |
法要の日程は、宗派や地域の慣習、お寺のご意向によっても考え方が異なることがあります。ここでお伝えしている日数の考え方はあくまで一般的な目安です。正確な情報は菩提寺や地域の慣習・公式情報をご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
カレンダーに印をつけるときは、「亡くなった日」「四十九日目」「一周忌の候補日」をセットでメモしておくと、あとから日程調整するときにも見返しやすくておすすめです。
法要を同日に行うのは可能か

「四十九日と一周忌を同じ日にまとめて行っても大丈夫ですか」というご質問をよくいただきます。ここ、かなり気になりますよね。結論からお伝えすると、形式上は不可能ではありませんが、かなり慎重な判断が求められるケースです。
四十九日と一周忌の間には本来約十か月ほどの時間があり、それぞれ意味も役割も異なります。故人の旅立ちの区切りとしての四十九日と、喪中が明ける節目としての一周忌を一度に済ませてしまうことに、違和感を覚えるご家族も少なくありません。
また、僧侶の立場から見ても、初期の年忌法要(四十九日、一周忌、三回忌など)は本来一つずつ丁寧に営むことが望ましいとされています。そのため、「絶対に禁止ではないが、推奨される形でもない」というのが現実的なラインです。
どうしても同日にしたい事情とは
とはいえ、現実には
- 海外や遠方に住んでいる親族が多く、何度も集まるのが難しい
- 仕事の都合上、休日にまとめざるを得ない
- 高齢の親族の体調を考えて移動を最小限にしたい
といった、やむを得ない事情もありますよね。そのような場合に、四十九日と一周忌を同日開催したい、もしくは別々の故人の法要を一緒に行いたい、というご相談をいただくことがあります。
その際に大事なのは、「同日にすること」だけに意識を向けるのではなく、一つ一つの法要としての意味をきちんと大切にすることです。式次第の中で、どのタイミングで誰のどの法要をしているのかをハッキリさせておくと、参列する側も気持ちを切り替えやすくなります。
どうしても同日に行う必要がある場合は、必ず事前に菩提寺やご縁のあるお寺に相談し、宗派やお寺の方針に沿って判断することが大切です。「こういう事情がありまして…」と率直に説明すると、住職も一緒にベストな落としどころを考えてくださることが多いですよ。
同時に行うメリットとデメリット

四十九日や一周忌を一緒に行う場合、施主やご親族にとってのメリットもあれば、忘れてはならないデメリットもあります。両方を冷静に見比べたうえで判断することが大切です。「メリットがあるからまとめたい」「でも、後から後悔しないかな…」というところで揺れる方が多いので、整理しておきますね。
同時に行う主なメリット
- 遠方の親族が集まる回数を減らせる
- 会場費や飲食費などの負担を抑えられる可能性がある
- 準備にかかる時間と労力を一度に集約できる
- ご高齢の親族の移動や体力的な負担を軽くできる
特にご家族が全国に散らばっているケースでは、「何度も集まるのは現実的に難しい」というお声を多く伺います。そのような事情から、やむを得ず同日開催を検討されることもあります。スケジュール調整が難しいご家庭ほど、一度集まるタイミングを最大限活かしたいというお気持ちが強いように感じます。
同時に行う主なデメリット
- 一つ一つの法要に集中しにくくなる
- 年配の親族から「大事な法要を簡略化した」と受け取られる恐れがある
- 僧侶の読経時間が長くなり、参列者の負担が増えることがある
- 香典やお布施、返礼品などお金の扱いが複雑になりやすい
特に気を付けたいのは、感情的なしこりが残ってしまうケースです。準備をしている側としては、「みんなの負担を考えてまとめたのに…」という気持ちがあっても、受け取る側が「ちゃんとやってもらえなかった」と感じてしまうと、あとあとまでモヤモヤが残ることもあります。
同時に行うかどうかは、「費用や手間の問題」だけで決めてしまうと後悔につながることがあります。特に親族同士の価値観が違う場合、「なぜまとめてしまったのか」というしこりを残してしまうことも。最終的な判断は、故人をどのようにお見送りしたいかという気持ちを軸に、ご家族で丁寧に話し合うことをおすすめします。
宗派による違いと併修の可否

四十九日や一周忌そのものは、多くの宗派で共通する大切な法要ですが、「どこまで日程を動かしてよいか」「併修をどう捉えるか」といった点は、宗派やお寺の考え方によって違いが出る部分です。「うちは浄土真宗だから」「禅宗だから」と一言でまとめてしまいがちですが、実際にはもう少し細やかなニュアンスがあります。
浄土真宗の傾向
浄土真宗では、故人は亡くなった瞬間に阿弥陀如来に救われて仏となるという教えがあり、いわゆる「中陰でさまよう」という考え方は取りません。そのため、追善供養というよりも、遺された側が仏教にふれ、故人を思い出す場として法要を営む位置づけが強い傾向があります。
そのぶん日程に関して柔軟な考え方をされるお寺も多く、「命日きっちりでなくても、皆が集まりやすい日でよいですよ」とおっしゃる住職も少なくありません。四十九日や一周忌を別々にすることが基本ではありますが、現実的な事情を踏まえたうえでの調整には理解を示してくださることが多い印象です。ただし、併修をどう捉えるかはお寺ごとの判断になるため、必ず直接相談することが大切です。
禅宗・日蓮宗・真言宗・天台宗など
曹洞宗や臨済宗などの禅宗、日蓮宗、真言宗、天台宗などでは、四十九日を満中陰、一周忌を喪明けの重要な節目として重んじる点は共通しています。とくに中陰の考え方が色濃い宗派では、四十九日を慎重に扱う傾向が強いと言えます。七日ごとの法要をきちんと重ね、四十九日でひと区切りをつける、という流れを大切にしているんですね。
一方で、現代ではどの宗派でもご家族の事情に配慮し、土日への前倒しや、命日近くへの調整などは広く受け入れられています。併修については「できれば七回忌くらいまでは個別に」とされることが多い印象ですが、ここも最終的には各寺院のご判断です。地域によっては、三回忌と七回忌を一緒に行うケースが普通になっているところもあります。
宗派名だけで判断するのではなく、実際にお付き合いのあるお寺に率直に相談することが何より大切です。同じ宗派でも、お寺や住職によって考え方や柔軟さが異なることは珍しくありません。「ネットにはこう書いてあったのに…」と悩みすぎず、まずは顔の見える専門家に聞いてみるのがおすすめですよ。
四十九日や一周忌を一緒に行う際の実務とマナー
ここからは、実際に四十九日と一周忌を一緒に行う、あるいは近い時期の法要をまとめて行う場面を想定しながら、当日の流れや日程の決め方、優先順位の考え方、トラブルを避けるポイントなど、具体的な実務面について解説していきます。
「意味や考え方は分かったけれど、じゃあ実際どう動けばいいの?」というところが、一番悩ましいところかなと思います。ここから先は、私が現場でよくご案内している段取りや注意点をベースに、「これを押さえておけばひとまず安心」というポイントをまとめていきますね。
四十九日と一周忌を同時に行う場合の流れ

四十九日と一周忌を同じ日に行う場合、まず押さえておきたいのが式次第の組み立て方です。一般的には、亡くなって日が浅い方、若い回忌の方から順番に供養するのがマナーとされています。
基本的な進行の一例
- 開式の挨拶(施主)
- 四十九日法要の読経・焼香
- 続けて一周忌法要の読経・焼香
- 住職からのご法話
- 閉式の挨拶と会食案内
実際には、一度の読経の中で両方の法要を合わせてお勤めする形をとるお寺もあれば、それぞれ区切って二部制にされるお寺もあります。ここは必ず事前に住職と打ち合わせをして、どのような形で進めるか確認しておきましょう。
当日までの準備の流れ
ざっくりとした準備の流れは、次のようなイメージです。
- 菩提寺に連絡し、事情を説明したうえで日程と内容の相談
- 会場(本堂・会館・自宅など)の決定と予約
- 案内状や電話・メールでの親族への連絡
- お供え・お花・会食(お斎)の手配
- 香典返しや粗供養品の選定・手配
- 当日の受付や進行、写真撮影などの役割分担
特に併修の場合は、「今日は四十九日と一周忌を行います」といった説明を、開式の挨拶でもう一度きちんと伝えることが大事です。「今日は何の法要だったかな?」と参列者が迷わないように、式次第を配布したり、簡単な案内を受付に掲示しておくと安心ですよ。
式次第は紙に印刷して配布するほか、受付に掲示しておくと、参列者の方も「今どの場面なのか」が分かりやすく安心して参加できます。簡単な手書きのボードでも十分なので、余裕があれば用意しておくと親切です。
四十九日と一周忌をずらす場合の判断基準

「同日にまとめるのは避けたいが、仕事や学校、遠方の親族の都合を考えると、命日や四十九日当日に法要ができない」というご相談も多くあります。その場合にポイントになるのがどこまで日程をずらしてよいかという判断基準です。ここは、宗派やお寺によっても意見が分かれやすいところなので、考え方のベースをお伝えしますね。
前倒しと後ろ倒しの考え方
一般的には、四十九日も一周忌も「命日に近い前倒し」が望ましいとされています。たとえば、四十九日が平日の水曜日であれば、その直前の土日を候補にするイメージです。
一方で、命日を大きく過ぎてからの後ろ倒しは、できるだけ避けるのがマナーとされています。ただ、数日〜一週間程度であれば、現代の実情に照らして許容される場合も多いのが実情です。お寺側も、「皆さんが集まりやすい日で結構ですよ」と言ってくださるケースはよくあります。
日程の前倒し・後ろ倒しに関する考え方は、宗派やお寺によって違いが出やすいポイントです。ここでお伝えしているのはあくまで一般的な目安であり、最終的な判断は菩提寺などの専門家に必ずご相談ください。
複数の法要をまとめるときのずらし方
祖母の一周忌と祖父の三回忌のように、複数の年忌が近い年に重なる場合、どちらかの日程に寄せてまとめることがあります。このときは、両方の命日から極端に離れない日程を選びつつ、家族やお寺と相談して妥協点を探ることが大切です。
たとえば、祖母の一周忌が10月、祖父の三回忌が翌年1月の場合、「祖父の三回忌を少し前倒しして12月末に行い、祖母の一周忌と同時に営む」「逆に祖母の一周忌を年明けに繰り下げて、祖父の三回忌と同じ日に行う」といった調整が考えられます。それぞれにメリット・デメリットがありますので、どちらの命日にどれだけ近づけられるかを意識して決めていくと良いかなと思います。
四十九日と一周忌についても、前後1〜2週間程度の幅で日程を見て、仕事や学校、遠方の親族の予定とすり合わせながら、「ここなら皆で集まりやすい」という日を探していくイメージです。
四十九日と一周忌はどっちが優先されるか

四十九日と一周忌のどちらを優先すべきか迷う場面としては、日程がぶつかってしまったときや、ほかの行事(初盆や別の親族の法要)と重なってしまったときが考えられます。「全部大事だから困る…」というお気持ち、本当によく分かります。
優先順位の基本的な考え方
一般的には、「より亡くなって間もない方」「若い回忌の法要」を優先するのがマナーとされています。具体的には、次のような考え方がベースになります。
- 葬儀・告別式は他の行事より最優先
- 四十九日は一周忌や他の年忌より優先
- 一周忌は初盆や三回忌より優先されることが多い
たとえば、「一周忌と初盆が同じ夏のタイミングになりそう」という場合、一周忌を命日に近い日程で行い、初盆をその前後で調整するという形をとるご家庭が多いです。「まずは故人が亡くなって一年目の節目をきちんと迎え、そのうえで初盆の供養もさせていただく」というイメージですね。
同じように、「親族の結婚式」や「七五三」など、晴れの行事とぶつかる場合もあります。このようなときは、
- 四十九日や一周忌を優先し、晴れの行事を日程調整できないか話し合う
- どうしても動かせない場合は、法要の方を前倒し・後ろ倒しできないかお寺と相談する
という流れで検討していくことが多いです。どちらにしても、「どちらかを完全に諦める」のではなく、両方をできる形で調整するという意識が大事かなと思います。
いずれにしても、どちらか一方を「まったく行わない」という選択は避け、規模を小さくしてでも必ず供養の場を設けることが大切です。「そのときは家族だけで読経をお願いして、あらためて皆で食事だけでも」といった形も、十分に心のこもった供養になりますよ。
四十九日と一周忌のトラブルを避ける準備

四十九日や一周忌を一緒に行うかどうかにかかわらず、法要の段取りでよく起こるトラブルには共通点があります。ここを先回りして押さえておくと、「こんなはずじゃなかった…」という事態をかなり減らせます。
- 日程や開始時間の連絡ミス
- 併修であることを事前に伝えておらず、当日驚かれる
- 香典や返礼品の数が合わない
- お布施や御車代の金額について親族間で意見が割れる
トラブルを防ぐためのポイント
- 早めに菩提寺へ相談し、住職の意向を踏まえて決定する
- 案内状や連絡の段階で「今回の法要の内容」を明記しておく
- お布施・香典・返礼品の目安を事前に決めておく
- 兄弟姉妹・親族のキーパーソンと先にすり合わせをしておく
特に併修の場合、「今日は誰の何回忌なのか」「香典はどう扱うのか」が分かりにくくなりがちです。案内状や連絡の際に、
- 対象となる故人のお名前と続柄
- それぞれの回忌(四十九日、一周忌、三回忌など)
- 当日の大まかな流れ(読経→焼香→会食など)
を簡潔に書き添えておくと、参列者もイメージしやすくて安心です。
お布施の相場感については、西宮市での事例も含めて解説しているお布施の相場と対応策をまとめた記事が参考になります。金額は地域や寺院によって大きく異なるため、あくまで一般的な目安として捉えつつ、最終的には直接お寺に確認することをおすすめします。
費用に関する情報は、お寺の方針や地域差によって大きく変わります。正確な情報は必ず寺院や公式情報をご確認のうえ、最終的な判断は専門家にご相談ください。
四十九日と一周忌を一緒に行う場合の香典マナー

四十九日と一周忌を一緒に行う場合、多くの方が迷われるのが香典の扱いと香典返し(返礼品)の考え方です。「二つの法要だから二つ分包むべき?」「金額はどのくらいが失礼じゃない?」など、細かいところで悩みやすいですよね。
参列者側の香典の考え方
併修の場合でも、香典は基本的に一封で問題ありません。金額については、通常の四十九日や一周忌に出す香典よりも、気持ち程度多めに包まれる方が多い印象です。
たとえば、通常一周忌で1万円包む関係性であれば、四十九日と一周忌を一緒に行う場合は1万〜1万5千円程度にする、といった感覚です。ただしこれはあくまで目安であり、故人とのお付き合いの深さや各ご家庭の慣習によって大きく変わります。
どうしても迷う場合は、
- 親族の場合:その家で普段から出している相場観に合わせる
- 友人・知人の場合:同じ立場の人同士でさりげなく相談してそろえる
といった工夫をされると安心です。
施主側の香典返し・お布施の考え方
施主側としては、返礼品は一つにまとめて用意されるケースが多いです。金額も、通常の四十九日あるいは一周忌の返礼品よりややグレードを上げてお返しすることで、併修であることへの配慮を示すことができます。
お布施については、「法要が二つだから単純に二倍」というよりも、通常の一回分に少し上乗せするイメージが現実的です。具体的な金額は寺院によって考え方が違うため、事前に「今回のようなケースではどの程度がよろしいでしょうか」と尋ねることをおすすめします。
香典返し全般のマナーについては、ツナグブログの香典返しの相場と品選びを解説した記事も参考になります。地域や家風による違いを知っておくと判断しやすくなります。
法要案内状・服装・会場設営のポイント
四十九日や一周忌を一緒に行う場合、招かれる側が戸惑わないよう、案内状や連絡の仕方も工夫が必要です。また、服装や会場設営も、複数の法要を意識した準備が求められます。「こう書いておけば安心」というポイントをまとめていきますね。
案内状・連絡の書き方
案内状には、今回行う法要の内容を明確に記載することが大切です。たとえば、
「このたび、亡父○○の一周忌法要と、亡祖母○○の十三回忌法要を併せて執り行います」
というように、故人名と回忌をセットで書き添えると親切です。口頭やメールでの連絡でも、併修であることは必ず事前に伝えましょう。「当日は二つの法要を続けて行いますので、少しお時間を長めにいただきます」とひと言添えておくと、参列者も心づもりができて安心です。
服装と会場設営
服装は、年忌の若い法要に合わせて喪服の格をそろえるのが基本です。四十九日や一周忌が含まれる場合は、原則として正喪服(礼服)を基準に考えておくと安心です。
会場設営では、遺影や位牌をそれぞれ並べる場合、焼香しやすい配置になっているかがポイントです。スペースに余裕がない場合でも、参列者の動線を意識して祭壇の高さ・位置を調整しておくとスムーズに進行できます。
喪中期間中の行動や服装の考え方は、ご家庭の方針や地域の受けとめ方によって大きく変わります。一般的な目安はありますが、正確な判断は親族や菩提寺と相談しながら進めることをおすすめします。ツナグブログでは、喪中に控えたい行動について解説した喪中にやってはいけないこと・遊びの判断基準の記事も掲載していますので、あわせて参考にしてください。
四十九日や一周忌を一緒に行う際のまとめと注意点
四十九日と一周忌を一緒に行うかどうかは、「絶対にしてはいけない」「必ずそうすべき」といった白黒で割り切れる話ではありません。ご家族の事情や地域の慣習、宗派やお寺の考え方、そして何より「故人をどう送りたいか」という気持ちを踏まえて、丁寧に判断していく必要があります。
セレモニーツナグとして多くのご相談に向き合ってきた感覚としては、四十九日と一周忌を完全に一緒に行うケースはやはり少数派です。その一方で、複数の年忌を同じ日にまとめる、四十九日や一周忌を命日より少し前倒しして行う、といった柔軟な対応は増えてきています。
大切なのは、
- まず菩提寺や信頼できる専門家に相談すること
- 家族・親族の意見をよく聞き、合意形成を図ること
- トラブルを避けるために、事前の説明と情報共有を丁寧に行うこと
四十九日と一周忌を一緒に行うか悩んでいるときは、「形式を守ること」と同じくらい、ご家族が納得して故人を送り出せるかどうかを大切にしていただきたいと思っています。費用や日程だけで決めてしまうのではなく、心の整理や後悔のなさにも目を向けて、無理のない形を選んでください。
この記事の内容は、一般的な目安やよくあるケースをもとにお伝えしています。正確な情報は公式サイトや寺院・行政などの公的な情報をご確認のうえ、最終的な判断は専門家にご相談ください。
セレモニーツナグでは、西宮市周辺での四十九日や一周忌、一緒に行う場合のご相談も丁寧にお受けしていますので、お困りの際は一人で抱え込まず、遠慮なくご相談ください。








