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葬式しない墓もいらない選択!費用と後悔しない賢い方法

こんにちは。ツナグブログです。
最近、私の周りでも「自分のお葬式はしなくていい」「お墓も作らなくていい」という声を耳にすることが本当に増えてきました。かつては当たり前だった「通夜・告別式を行い、先祖代々のお墓に入る」という常識が、今、大きく変わろうとしています。
その背景にあるのは、単なる「節約」だけではありません。「子供や孫に金銭的な負担をかけたくない」「遠方に住む家族に墓守の苦労をさせたくない」という、家族を想う切実な優しさがあるんですよね。また、形式ばかりの儀式に高額な費用をかけることに疑問を感じ、もっと自分らしく、自由な旅立ちを選びたいと願う方が増えているのも事実です。
しかし、いざ「葬式しない・墓もいらない」と決意しても、現実には多くの「壁」や「不安」が立ちはだかります。「本当に火葬だけでいいの?」「遺骨はどうすればいい?」「親戚になんて言われるだろう…」そんな悩みを抱え、一歩を踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。もし、安易に進めてしまって、後から「やっぱりちゃんとしておけばよかった」と後悔したり、親族と絶縁状態になってしまったりしたら、それこそ故人も浮かばれません。
この記事では、そんな皆様の不安を一つひとつ丁寧に解きほぐし、後悔のない選択をするための具体的な知識と方法を、私の視点で分かりやすく解説していきます。
- 葬式をしない「直葬」のリアルな費用相場と、追加費用が発生する意外なポイント
- お墓を持たない選択肢(散骨・樹木葬・送骨)のメリットとデメリットの完全比較
- 「非常識だ」と言わせないための、親戚や菩提寺との賢い交渉術とトラブル回避策
- 死後に必ず必要となる行政手続きや、手元供養という新しい祈りの形
葬式しないし墓もいらない場合の費用と選択肢
「葬式をしない」という言葉を聞くと、亡くなったらそのまま火葬場に行くだけ、とイメージされる方が多いかもしれません。しかし、日本では法律や公衆衛生上のルールがあり、最低限行わなければならないプロセスが存在します。ここでは、儀式を省略する「直葬」の現実や、お墓を持たないための具体的な方法、そして気になる費用について、包み隠さず詳しく見ていきましょう。
直葬の費用相場と流れ

「葬式をしない」という選択をする場合、最も一般的に選ばれるのが「直葬(ちょくそう)」、あるいは「火葬式」と呼ばれるスタイルです。これは、通夜や告別式といった宗教的な儀式を一切行わず、病院や自宅から火葬場へ直接向かい、火葬のみを行う形式を指します。
最大の魅力は、やはりその費用の安さです。一般的な葬儀(一般葬)を行うと、式場使用料や祭壇、参列者への返礼品、飲食費などで平均150万円〜200万円近い費用がかかると言われています。それに対し、直葬の費用相場は約20万円〜40万円程度と、圧倒的にコストを抑えることが可能です。「これなら遺族に負担をかけずに済む」と選ばれる方が多いのも頷けますね。
ただし、「20万円で済む」と思っていても、実際には追加費用がかかるケースが少なくありません。直葬の基本プランに含まれるのは、通常「お迎え(搬送)」「棺」「骨壷」「手続き代行」などです。ここで注意したいのが、法律による「24時間ルール」と、それに伴う「安置費用」です。
日本の法律(墓地、埋葬等に関する法律)では、死後24時間を経過しないと火葬をしてはいけないと定められています。蘇生の可能性を考慮しての規定ですが、これにより、亡くなってから火葬までの間、必ず「一晩」はどこかに遺体を安置しなければなりません。自宅に安置できれば良いのですが、マンションの規約や住宅事情で難しい場合は、葬儀社や専門業者の「保冷安置施設」を利用することになります。
特に都市部では、火葬場の予約が混み合っており、亡くなってから火葬まで数日〜1週間待たされることも珍しくありません。その間、1日あたり数万円の施設利用料や、遺体の腐敗を防ぐためのドライアイス代(1日1万円〜2万円程度)が追加でかかり続け、最終的に請求額が膨らんでしまうことがあります。直葬を検討する際は、こうした「見えない費用」も計算に入れておくことが重要です。
直葬の具体的な流れとチェックポイント
宗教儀式がない分、時間は非常にタイトに進みます。心の準備をしておくためにも、流れを把握しておきましょう。
- 1. 臨終・搬送依頼:医師による死亡確認後、葬儀社に連絡し、寝台車でのお迎えを依頼します。病院の霊安室には長居できないため、速やかな判断が求められます。
- 2. 安置(最低24時間):自宅または安置施設へ移動し、枕飾りをして安置します。この時間が、故人とゆっくり過ごせる最後の時間になることが多いです。
- 3. 納棺・出棺:故人を棺に納めます。お花を入れたり、愛用していた服を入れたりします(燃えにくいものはNG)。その後、火葬場へ出棺します。
- 4. 火葬・お別れ:火葬炉の前で、僧侶の読経なしで最後のお別れをします。時間は5分〜10分程度と短いため、事前に言葉を用意しておくと良いでしょう。
- 5. 収骨(骨上げ):火葬後、遺骨を骨壷に収めます。地域によって、すべての骨を拾うか、一部だけを拾うかが異なります。
なお、「お坊さんを呼ばないと成仏できないのでは?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、宗教観は人それぞれです。形式にとらわれずとも、心からの感謝を伝えることは十分に可能です。それでもやはり不安が残る、という方は、直葬でお坊さんを呼ばない選択で後悔しないために知ることの記事で、心の持ち方や具体的な対処法を詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
散骨や樹木葬にかかる費用

直葬で火葬を終えた後、次に直面するのが「遺骨をどうするか」という問題です。「お墓はいらない」と決めている場合、選択肢となるのが「自然葬(散骨・樹木葬)」です。これらは、墓石という物理的な構造物を持たず、自然の中に遺骨を還すスタイルとして、近年急速に支持を集めています。
まず「海洋散骨」ですが、これは遺骨をパウダー状(2mm以下)に粉砕し、海へ撒く方法です。映画やドラマのワンシーンのようにロマンチックなイメージがありますが、勝手に海岸で撒くことはできません。海水浴場や漁場を避け、陸地から一定距離離れた沖合で行うというマナーやルールが存在するからです。
費用は、業者が遺族に代わって散骨を行う「委託散骨」であれば5万円〜10万円程度と非常にリーズナブルです。一方、遺族が船をチャーターして行う「個別散骨」の場合は、20万円〜30万円以上かかります。家族でゆっくりお酒を撒き、花を手向けてお別れができるため、葬儀の代わりとして行う方も多いですね。
次に「樹木葬」です。これは墓石の代わりに桜やモミジなどの樹木、あるいは草花を墓標として埋葬する方法です。「土に還る」イメージが強いですが、実際にはコンクリートの納骨室(カロート)に骨壷を入れるタイプもあり、施設によって様式はバラバラです。費用は、他の人の遺骨と一緒に埋葬される「合祀(ごうし)タイプ」なら5万円〜20万円程度。個別の区画が与えられるタイプなら30万円〜70万円程度が相場となります。
| 種類 | 費用相場 | 特徴と注意点 |
|---|---|---|
| 海洋散骨(委託) | 5万円〜10万円 | 最も安価。GPS情報などで散骨場所を教えてくれる業者が多い。お参りに行く場所がないのが欠点。 |
| 海洋散骨(個別) | 20万円〜30万円 | 船を貸し切り、自分たちの手で散骨できる。クルージング形式で、法要と兼ねることができる。 |
| 樹木葬(合祀) | 5万円〜20万円 | 安価だが、一度埋葬すると他人の遺骨と混ざるため、二度と取り出すことができない。 |
| 樹木葬(個別) | 30万円〜70万円 | 夫婦や家族単位で入れる。ただし、一定期間(13年や33年など)経過後に合祀される契約が多い。 |
ここで絶対に忘れてはいけないのが、散骨を行う前の「粉骨(ふんこつ)」というプロセスです。遺骨をそのままの形状で海や山に撒くと、刑法の「死体遺棄罪」に抵触する可能性があります。必ず専門の業者に依頼して、見た目では遺骨と分からないパウダー状にする必要があります。この粉骨費用(1万円〜3万円程度)も予算に入れておきましょう。
究極のゼロ葬という選択

「葬式もしない、墓もいらない。さらに言えば、遺骨もいらない」という究極の選択肢として、宗教学者の島田裕巳氏が提唱した「ゼロ葬」という概念が注目されています。これは、火葬場で遺骨を一切引き取らず、そのまま焼却処分(残骨処理)してもらうという方法です。
もしこれが実現すれば、お墓の準備も、永代供養料も、遺骨の管理も、継承者問題も、すべてが「ゼロ」になります。残された家族にとって、これほど負担のない形はないかもしれません。しかし、現実には「ゼロ葬」を実現するには非常に高いハードルが存在します。それが、「東日本と西日本の火葬文化の違い」です。
実は、火葬後の遺骨の拾い方(収骨)には、地域によって大きな違いがあります。
関東を中心とする東日本には、足の骨から頭蓋骨まで、遺骨のほぼすべてを骨壷に収める「全収骨(ぜんしゅうこつ)」という文化があります。そのため、骨壷のサイズも7寸(直径約21cm)と大きく、火葬場では「遺骨はすべて遺族が持ち帰るもの」という前提で運営されています。このエリアでは、火葬場での遺骨引き取り拒否(焼き切り)を条例や規則で禁止している自治体が多く、ゼロ葬は事実上不可能なケースがほとんどです。
一方、関西を中心とする西日本では、喉仏や頭蓋骨など、主要な骨の一部だけを拾い上げる「部分収骨(ぶぶんしゅうこつ)」が主流です。骨壷も3寸〜5寸と小さく、拾われなかった残りの骨(残骨)は、火葬場が提携する寺院などで供養・処分される仕組みが整っています。そのため、西日本の一部の火葬場では、事前の交渉次第で「すべての遺骨を置いていく(収骨しない)」ことが認められる場合があります。
ゼロ葬を希望する場合の絶対的注意点
ゼロ葬は、希望すればどこでもできるわけではありません。安易に考えていると、当日になって「必ず持ち帰ってください」とトラブルになり、途方に暮れることになります。
必ず事前に、利用予定の火葬場がある自治体に「収骨の辞退は可能か」「残骨処理の対応はどうなっているか」を電話等で確認してください。また、親族からの反発も非常に強いため、独断での決定は危険です。
送骨サービスと永代供養

「お墓を建てる費用はないし、管理もできない。でも、散骨して何もなくなってしまうのは寂しい」「遺骨を手元に置いておくわけにもいかない」…そんな板挟みの悩みを解決する手段として、近年利用者が急増しているのが「送骨(そうこつ)」サービスです。
これはその名の通り、遺骨を「ゆうパック」で寺院や霊園に郵送し、そのまま永代供養墓(合祀墓)に納骨してもらうという仕組みです。「遺骨を郵送するなんて!」と驚かれる方もいるかもしれませんが、実は日本郵便の約款において、遺骨は唯一「ゆうパック」でのみ送ることが認められています(ヤマト運輸や佐川急便などは引き受け不可です)。
送骨の最大のメリットは、その手軽さと費用の安さです。多くのサービスでは、「送骨キット代+送料+永代供養料+管理費」がすべて込みで3万円〜5万円程度という価格設定になっています。お墓を建てるのに数百万円かかることを考えれば、破格の金額と言えるでしょう。
利用の流れも非常にシンプルです。
まず、インターネット等で信頼できる送骨受け入れ寺院や業者に申し込みます。すると、自宅に「送骨キット(専用の段ボール、緩衝材、ガムテープ、送り状など)」が届きます。そのキットを使って遺骨を梱包し、埋葬許可書などの必要書類を同梱して、郵便局に集荷を依頼するか窓口に持ち込むだけです。後日、寺院から「納骨完了証明書」などが届き、供養が完了します。
特に、「お寺との付き合いがなく、どこに頼めばいいか分からない」「足が悪くて遠方のお墓に行けない」「実家の遺骨を整理したい」という方にとっては、救世主のようなサービスと言えます。ただし、一度送って合祀(他の方と一緒にお墓に入る)されると、後から遺骨を取り戻すことは絶対にできません。親族とよく話し合ってから利用するようにしましょう。
おひとりさまの終活準備

近年、生涯未婚の方や、配偶者と死別して身寄りのない「おひとりさま」が増えています。頼れる家族がいない場合、「葬式しない・墓もいらない」という選択は、自分の死後に誰にも迷惑をかけないための最善策のように思えます。しかし、準備なしに亡くなってしまうと、思わぬ事態を招くことがあります。
通常、人が亡くなると、親族が死亡届を出し、火葬の手配を行い、遺骨を引き取ります。しかし、引き取り手が誰もいない場合、法律に基づき自治体が火葬を行いますが、その遺骨は「行旅死亡人(こうりょしぼうにん)」や無縁仏として、一定期間保管された後に無縁塚などに埋葬されてしまいます。「誰にも知られずに処理される」というのは、やはり寂しいものです。
そこで、元気なうちに検討しておきたいのが、「死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)」です。これは、司法書士や行政書士、あるいはNPO法人や葬儀社などの第三者に対し、自分の死後の手続き(直葬の手配、役所への届出、家財道具の処分、納骨や散骨など)を生前に依頼し、契約しておく制度です。
この契約を結んでおけば、友人や遠い親戚に負担をかけることなく、自分の希望通りの形(例えば、お気に入りの海への散骨など)で最期を迎えることができます。費用は依頼する内容によって数十万円〜かかりますが、安心料と考えれば高くはないかもしれません。
また、すでに先祖代々のお墓を持っている「おひとりさま」の場合は、自分の代でお墓を閉じる「墓じまい」をしておく必要があります。無縁墓になって荒れ果てるのを防ぐためです。「墓じまい」の手順や判断基準については、墓じまいをしなくても大丈夫なケースと後悔しない判断基準の記事で詳しく解説していますので、ぜひ早めの準備を進めてください。
葬式しないし墓もいらない選択で後悔しない方法
ここまで、費用や具体的な方法についてお話ししてきました。経済的なメリットや合理性は十分にご理解いただけたかと思います。しかし、葬送において最も難しいのは、お金や法律のことよりも、人間の「感情」や「心」の問題です。
「これでよかったんだ」と頭では分かっていても、心が追いつかない。あるいは、自分たちは納得していても、周囲が許してくれない。そんな事態を防ぐために、ここからは心理的なケアやトラブル対策について深掘りしていきます。
葬儀なしで後悔する瞬間

直葬を選んだご遺族から最も多く聞かれる後悔の言葉、それは「あっけなさすぎて、死んだ実感が湧かない」「もっとちゃんとしてあげればよかった」というものです。
通夜や告別式という儀式は、単なる宗教行事ではありません。忙しく準備をし、多くの参列者に対応し、涙を流して別れを惜しむ…この一連のプロセスそのものが、遺族にとって「大切な人がいなくなった」という厳しい現実を受け入れ、心の整理をつけるための(グリーフケアの)時間として機能しています。
直葬の場合、病院から安置場所へ、そして翌日には火葬場へ移動し、炉前で5分〜10分程度のお別れをして終わりです。あまりにも時間が短く、慌ただしいため、「えっ、もう終わり?」「何もしてあげられなかった」という罪悪感だけが残ってしまうのです。これが長く続くと、重いペットロスのような「複雑性悲嘆」に陥るリスクもあります。
この後悔を防ぐためには、葬儀という形にこだわらず、「自分たちなりの代替儀礼」を行うことを強くおすすめします。
例えば、火葬が終わったその日の夜に、親しい家族だけで集まって故人の好きだった食事を囲み、思い出話をするだけでも十分な供養になります。また、四十九日や一周忌などのタイミングで、自宅で小さなお別れ会を開くのも良いでしょう。「何もしない」のではなく、「形式を変えて弔う」という意識を持つことが、遺族の心の救いになります。
親戚トラブルの回避策

「葬式もしない、墓も作らないなんて非常識だ!」「ご先祖様に申し訳ないと思わないのか!」
こうした親戚からの猛反発は、葬送の簡素化において最も警戒すべきトラブルの一つです。特に、地方にお住まいの年配の親族や、家制度を重んじる方々にとって、直葬や散骨は「故人を粗末に扱う行為」と映ることがあります。
一度こじれてしまった親戚関係を修復するのは困難です。将来にわたって嫌味を言われ続けたり、絶縁状態になったりするのを防ぐために、以下の3つの鉄則を守ってください。
親戚トラブルを防ぐ3つの鉄則
- 1. 事後報告は絶対NG:「もう決めました」「終わりました」という事後報告は、相手の顔を潰すことになります。必ず決定する前に、「経済的に余裕がない」「故人が生前から強く希望していた」といった事情を説明し、相談という形で仁義を切りましょう。
- 2. 香典は断固として辞退する:葬儀をしないのなら、香典は一切受け取らないのがマナーです。受け取ってしまうと、相手は「お返し(香典返し)はあるのか?」「お参りに行かなくていいのか?」と混乱します。訃報を伝える際に、「故人の遺志により、香典・供花・供物は固くご辞退申し上げます」と明確に伝えましょう。
- 3. 菩提寺(旦那寺)への根回し:もし、先祖代々のお墓があるお寺(菩提寺)がある場合、ここが最大の難関です。住職に相談なく直葬や散骨を行うと、「宗教儀礼を無視した」として、先祖の墓への納骨を拒否されたり、高額な戒名料や離檀料で揉めたりするケースがあります。必ず事前に「このような事情で直葬にしたい」と誠意を持って相談してください。
納骨しない遺骨の手元供養

「お墓は作らないと決めたけど、遺骨を全部散骨して手元からなくなってしまうのは寂しい…」
そんな揺れる想いに応えるのが、遺骨を自宅で管理・供養する「手元供養(てもとくよう)」というスタイルです。
よく「遺骨を家に置いておくと法律違反になるのでは?」と心配される方がいますが、安心してください。遺骨を墓地以外の場所に「埋める」こと(庭に埋めるなど)は法律違反ですが、自宅で「保管する」ことは何ら違法ではありません。
手元供養には、全骨(すべての遺骨)を骨壷に入れて自宅の仏壇などに置く方法と、遺骨の一部(分骨)だけを残して、残りを散骨や合祀墓にする方法があります。最近では、リビングに置いても違和感のないお洒落なミニ骨壷や、遺骨を加工してダイヤモンドやペンダントにする「遺骨ジュエリー」なども人気です。
「おはよう」「おやすみ」と毎日声をかけられる対象が近くにあることは、遺族にとって大きな精神的支えになります。特に、お墓参りに行くのが体力的に難しい高齢の方にとっては、自宅で供養できるメリットは大きいでしょう。ただし、最終的にその遺骨をどうするか(自分が亡くなった時に誰が処分するか)は、将来の課題として考えておく必要があります。
また、遺骨を自宅に置くことに対して「怖い」「縁起が悪い」と感じる方もいるかもしれませんが、それは迷信的な要素が強いです。そうした不安を解消するための考え方については、遺骨の怪奇現象を不安なく乗り越えるには?安心できる対処法まとめの記事でも触れていますので、気になる方はご一読ください。
死後の手続きと流れ

いくら葬儀やお墓を省略しても、人が亡くなった際に必ず行わなければならない「行政手続き」は避けて通れません。これらを怠ると、火葬ができなかったり、後で年金の手続きが進まなかったりと、大きな支障が出ます。最低限、以下の書類については理解しておきましょう。
| 書類名 | 用途と提出先 | 重要度 |
|---|---|---|
| 死亡届 | 役所に提出する基本書類。医師が発行する「死亡診断書」とセットになっています。通常は葬儀社が代行してくれます。 | ★★★ |
| 火葬許可証 | 死亡届が受理されると発行されます。これがなければ火葬場で火葬を行うことができません。 | ★★★ |
| 埋葬許可証 | 火葬が終わると、火葬許可証に「火葬済」の印が押されて返却されます。これが埋葬許可証となります。納骨や散骨の際に必ず必要になる超重要書類です。再発行が難しいため、絶対に紛失しないでください。(出典:厚生労働省『墓地、埋葬等に関する法律の概要』) | ★★★ |
| 改葬許可証 | すでにあるお墓から遺骨を取り出し、別の場所(散骨や別のお墓)に移す「墓じまい」の際に必要です。既存のお墓がある自治体で発行してもらいます。 | ★★☆ |
これらの書類は、葬儀社がある程度サポートしてくれますが、最終的に管理するのは遺族自身です。特に「埋葬許可証」は、何年も経ってから「やっぱり納骨したい」と思った時にないと困る書類ですので、骨壷と一緒に大切に保管するか、分かりやすい場所にしまっておきましょう。
葬式しないし墓もいらない賢い選択まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
「葬式しない・墓もいらない」という選択は、決して故人をないがしろにする薄情なものではありません。それは、形式や慣習にとらわれず、現代のライフスタイルや家族の事情に合わせて、供養の形を再定義する「能動的で賢い決断」だと私は思います。
しかし、大切なのは「費用を安く済ませる」ことだけではありません。最も重要なのは、残された自分たちが「心の平穏」を保ちながら、前を向いて生きていけるかどうかです。どれだけ合理的でも、心に後悔が残ってしまえば、それは失敗した選択になってしまいます。
直葬を選んでも、お別れ会を開いて温かく見送ることはできます。お墓を作らなくても、手元供養や散骨で故人を身近に感じることはできます。大切なのは、家族や親族としっかりと話し合い、自分たちなりの「納得できる答え」を見つけることです。
この記事が、皆様が迷いなく、そして後悔なく、大切な人を見送るための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。どうか、あなたとあなたのご家族にとって、一番優しい選択ができますように。
※本記事で紹介した費用や法律に関する情報は一般的な目安です。具体的な契約や法的手続きについては、専門家や各自治体、寺院等に直接ご相談の上、最終的な判断を行ってください。








